HOME > 施工事例 > お客様邸建築日誌 > 【8】和歌山市毛見
2009年冬 和歌山市毛見 建築地
和歌山市と海南市の狭間に位置する、閑静な住宅地。
近くには港があり、休日にはゆったりとしたひと時を過ごせそうな場所ですね。
今回の建築地は、施主様の営まれる工場の手前にあった倉庫のスペースです。
こちらの現場の建築状況をレポートしていきたいと思います。
12/6(日) 地鎮祭
風は冷たいものの、よく晴れた日の午前。地鎮祭を行いました。
地鎮祭といえば、やはり竹に注連縄(しめなわ)を張っている様子が思い浮かびますよね。
まずは地縄(紐で家の形をだいたい表した物)、もしくは敷地の4隅に、竹(斎竹・いみだけ)を立てるための杭を打ちます。次に杭を基点に竹を置いて、竹に縄を結びます。
宮司さんから雷のような形をした紙垂(しで)を受け取り、縒っている縄と縄の間に紙垂を挟みます。縄の縒れる力でしっかりと挟んでくれるので、紙垂が落ちる事はありません。
竹を立て、杭に縛って固定していきます。これで準備が整いました。
いよいよ式が始まります。
まずは参列者のお祓いをし、神様を呼ぶ儀式を行って、祝詞(のりと)を奏上します。
続いて、敷地の四方をお祓い・お清めします。
お清めが終われば、玉鎮めの儀を行います。これが地鎮祭のメインイベントですね。
祭壇に向かって左に置かれているのは、盛砂です。
これは、土地に草が生えている状態・・・
つまり、まだ何も手を付けられていない土地の状態
を表しているそうです。
まずは設計担当による刈初め(かりぞめ)で竹を刈り、施主様が鍬入れ(くわいれ)をして
穴を開けます。宮司さんがそこへ鎮め物を入れて、土地の神様に祈りを捧げます。
その後、工事担当者が鎮め物に土をかけます。
最後は参列した全員でお神酒を手に、工事の無事を祈願して乾杯です。
寒い中ご参列いただいた施主様がた、お疲れ様でした。
工事の無事と、ご邸宅の竣工をお祈りいたします。
2010/1/5(火) 基礎
2009年12月末。工事が着工しました。
羽根のような形をした鉄筋が置かれていました。これを手作業で組み上げていきます。
地面には、家の形、間取りに沿った溝が掘られ、コンクリートが流し込まれています。
4日後には型枠が組まれ、コンクリートを打っていました。
使用されるコンクリートは約18㎥にもなるそうです。1㎥=約2.3トンですので
鉄筋の重さを引いたとしても、基礎だけで40トン以上あるという事になります。
こちらはスペーサーといって、均一にコンクリートを流し込むために配筋の下に設置する
ブロックです。基礎と同じ材料で、1つずつ、氷を作るように製造しているのだとか。
更に1週間後が経過しました。型枠を外せば、丈夫な基礎が姿を現します。
基礎から、高さの違うボルトが突き出ているのが
分かりますか? これは家の土台、柱までを強固に
固定する金具です。
短い方は、基礎と家の土台、床を固定する
アンカーボルトという金具です。
長い方は、基礎と柱を強固に接合するホールダウン
金物といいます。
金具の配置も、構造計算によって決められています。
1/13(水) 土台据え
いよいよ大工さんの登場です。
基礎と家本体の間に位置する、家の土台が据えられていきます。
無造作に突き出ていたボルトが、しっかりと土台に固定されていました。
鋼製のテクノ束が大引き(床を支えるための部材)に取り付けられます。
1本で3トンの重さに耐えられる上に、錆びにくい処理が施されているので
安心できる、強い床束です。
詳しく知りたい方は、こちらを参考にご覧下さい。 >> テクニカルガイド【丈夫】
近くには床用の合板と断熱材が準備されていました。
1/16(土) 上棟式
青空のもと、上棟の日を迎えました。
6人の大工さんが、1日で家の骨組みをつくっていきます。
テクノビームは県外から運ばれて来るため、前日には搬入が完了していますが
その他の部材は午前中、トラックによって次々と運ばれて来ます。
そして夕方4時過ぎ。野地板(屋根)を貼り終え、大工さんの作業が終了しました。
施主様が酒、米、塩で、家の四方をお清めします。
棟梁が幣串を棟木に取り付けます。
基礎の下に埋める鎮め物と同じように、幣串は天井裏に納め、そのまま天井板を貼ります。
工事が進むと見えなくなりますが、末永くこの家を守ってくれる事でしょう。
大工さんに集まっていただき、家族紹介などを含んだご挨拶をします。
上棟おめでとうございます。
これから春に向けて、徐々に家が完成に向かう様子が楽しみですね。
1/23(土) 上棟立会い
大工さんの作業がどんどん進んでいきます。
上棟の時には大きな仮筋(建物を平行に保つ為、一時的に入れる部材です)が入っていましたが、それが外れ、X型に筋交いが組まれていました。
この筋交いの数や位置は、パナソニック電工の構造計算によって算出されています。
窓枠の下地が組まれ、サッシが入っていました。
この段階で、施主様と一緒に「上棟立会い」を行います。
電気の配線をしてしまう前に、コンセントの位置や高さ、棚・カウンターの高さや段数などを
細かくチェックして行きます。
図面上だけでは実際の立体的な空間が分かりませんので、きちんと現場にて
メジャーで距離を測りながら、1つずつ確認していきます。
まだ壁がないので、この季節は風が吹き込んで寒いですよね。
けれど大切な立会いですので、ぜひご一緒に図面を見ながらチェックしてみて下さい。
2/2(火) 大工工事
柱と柱の間に、しっかりと断熱材が入っていました。
ロックウールは水に溶けにくいため、万が一湿気が壁の中に入ったとしても、その重みで
垂れ下がり、ずり落ちる・・・という心配がありません。
大工さんがドア枠や窓枠、室内の壁(プラスターボード)を施工していきます。
2階はすっかりボードが貼り終わっていました。
クローゼット内は「しつど番」という、調湿効果のある素材が貼られています。
床はフローリングを敷いたあと、傷などが付かないように、しっかりと養生されています。
洗面の方を覗くと、ユニットバスが入っていました。
この段階ですと、普段は見えることのない、湯船の底が見えています。
外では、家を雨から守る防水シートと、外壁の下地となる胴縁が施工されていました。
軒部分も綺麗にボードが貼られています。軒天には有孔板という、通気孔のあるタイプを
使用していますので、小屋裏が湿気で痛むのを防ぎます。
2/16(火) 外壁・階段
お昼のいっぷくを終え、仕事に取り掛かる棟梁。
だいたい朝8時から、夜6時までお仕事するのだとか。
電動ドリルなどの音の出る作業が多いため、
作業時間に配慮してお仕事されているそうです。
外壁が施工され始めていました。
こちらは親水セラと言って、長期に渡って外観を美しく魅せてくれるサイディングです。
そのヒミツ①はセラミックコート。紫外線をカットして、色落ちを防いでくれます。
ヒミツ②は親水コート。排気ガスや砂ぼこりで汚れても。雨の日に、汚れと親水コートとの
間に雨水が入り込んで、汚れを浮き上がらせて洗い流します。
とても利口な外壁材ですよね。
室内ではプラスターボードの施工が、ほぼ終了していました。
階段が施工されていました。ここまで来れば、大工さんの作業も終わりに近づいています。
3/16(火) 竣工
美装が終わったとの事で、現場へやって来ました。
ちょっぴりお宅を拝見させて頂きましょう。
南に面した土地ですが、玄関は北寄りの東側に位置しています。
玄関ドアを開けると、正面に階段とニッチがあります。
オープンタイプのキッチンを採用しています。
和室には仏間がありました。軸回し式で、普段は扉を収納できる造りになっています。
2階トイレのクロスです。布地調の可愛い模様がオシャレです。
3/25(木) お引渡し
設備機器の説明を終え、工事用キーから本キーへ鍵の受渡しが完了しました。
ご邸宅の竣工、誠におめでとうございます。
これから始まる新生活を、楽しいものにしていって下さいね。